病院で死亡した時に葬儀社が決まっていない場合ってどうしたらいいの?

 

人の死は突然にやってきます。
自分の死の準備をする「終活」という言葉が一般的になり、生前から葬儀の準備をしておく人も増えてきました。
しかし、病院で亡くなった際に、葬儀業者が決まっているケースはそれほど多くありません。

あるアンケート調査によれば、生前に葬儀業者を決めていたのは1/4程度で、残りの3/4は亡くなった後に遺族が葬儀業者を選んでいます。

家族が亡くなった際には、葬儀の準備、親族や菩提寺への連絡などで遺族は非常に忙しくなります。
葬儀業者が決まっていないとその選定作業も加わり、さらに慌しくなります。
しかし、よく検討せずに葬儀業者を選んでしまうと、葬儀費用が高額になってしまったり希望の葬儀が行えなかったりする可能性があります。

より良い葬儀にするとともに、費用をなるべく抑えるためには、時間が限られている状況であっても葬儀業者を落ち着いて選ぶことが大切です。

今回は、葬儀業者が決まっていない状態で家族が亡くなった場合の注意点について、詳しく解説します。

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まずは落ち着くことが重要

家族が亡くなった際には、冷静さを保つことは難しく、慌ててしまうのは仕方のないことです。
息を引き取った直後では、葬儀のことを考えるのも辛いでしょう。

しかし、病院にはご遺体を長く置いておくことができず、葬儀の準備など故人のためにしなければいけない手続きがたくさんあります。
また、葬儀には多額の費用がかかるため、冷静さを欠いた状態で葬儀業者を選ぶのはリスクがあります。

臨終後の手続きを着実に行い、より良い葬儀で故人を送り出すためにも、まずは落ち着いて冷静になることが重要です。

病院に葬儀業者を紹介された場合は?

病院で亡くなると、ご遺体は死後の処置を行ったあとで霊安室に移されます。
その際に、病院に出入りしている葬儀業者が自社で葬儀を行うよう勧誘してくる場合や、医師や看護師などの病院のスタッフが葬儀業者を紹介してくる場合があります。

葬儀業者が決まっていない場合は、そのまま依頼してしまいそうになりますが、そうした病院紹介業者を利用するのはおすすめできません。

昔は自宅で息を引き取ることがほとんどでしたが、現在は約8割の人が病院で亡くなっています。 病院で亡くなった際には、病院に出入りしている...

葬儀業者が決まっていなくても病院紹介の業者は断る

基本的に、病院が紹介する業者を利用すべきではありません。

病院に出入りする業者は病院に多額のお金を支払っており、その分が費用に上乗せさせるため、葬儀費用が高めの傾向があります。
また、葬儀には多額の費用がかかり、そうした高額の契約をほかの業者と比較せずに安易に決めるのは適切ではありません。

病院は、葬儀内容を確認して出入り業者を決めているわけではないので、大きな病院の出入り業者であっても優良な業者とは限りません。
病院に紹介された葬儀業者をそのまま頼んだ結果、高額な費用を請求されたケースが多数報告されています。

葬儀業者が決まっておらず、時間が限られた状況であっても、病院に紹介された業者や出入りの業者にそのまま依頼するのは避けましょう。

現在の日本では、約8割の人が病院で亡くなっています。 病院で亡くなると、病院に出入りしている葬儀業者が遺族に対して営業行為を行うことが...

紹介業者を断っても失礼にはあたらない

お世話になった医師や看護師に業者を紹介されると、断りにくいと感じる人も多いでしょう。
しかし、紹介された業者の利用を断っても、決して失礼にはあたりません。
利用する業者を選ぶのは遺族の役目であり、故人のためにもより良い葬儀業者を選ぶ必要があります。

また、以前は病院に紹介された業者を利用する人が多かったですが、現在は利用者が大幅に減少しています。
これには、事前に葬儀業者を決めている人が増えたことが関係しています。
また、病院が紹介する業者は比較的高額なことが広く知られるようになったことも影響しています。

こうした傾向から、病院側も紹介を断られるのに慣れています。
お世話になったからといって気を遣うことなく、病院紹介の業者はしっかりと断るようにしましょう。

ご遺体の搬送前に葬儀業者を決める必要がある?

病院の霊安室はスペースが限られており、ご遺体を長く置いておくことはできません。
また、病院によっては霊安室が設置されていない場合があります。
そのため、出来るだけ早く自宅などの安置場所に搬送するよう病院側から求められます。

事前に葬儀業者が決まっていれば、連絡すると速やかに所定の安置場所までその業者が搬送してくれます。
しかし、葬儀業者が決まっていない場合はそうはいきません。

霊安室にご遺体を留めておける時間は、数時間程度です。
また、安置場所への搬送は葬儀業者に依頼するのが通常です。
そのため、短時間で葬儀業者を決める必要があると考えている人がいるかもしれませんが、必ずしもその必要はありません。

葬儀業者を決めずにご遺体の搬送だけを頼むこともできる

ご遺体の搬送だけを業者に依頼して、葬儀を行う業者はご遺体の安置後に決めることもできます。
葬儀業者に搬送だけを頼んでも問題ありませんし、ご遺体の搬送を専門で行う業者もあります。

葬儀には多額の費用がかかるため、葬儀業者の選定には慎重になるべきです。
病院に置いておける時間が限られているからといって、あせって業者を決めてしまっては、後悔することにもなりかねません。
見積もりや葬儀プランをよく確認しなかった結果、多額の費用を請求されたり希望の式場や葬儀形式が選べなかったりするケースが多数報告されています。

利用する業者が決まっていない場合は、ご遺体の搬送だけを業者に依頼して、葬儀を依頼する業者は安置後にじっくりと検討するのがおすすめです。

依頼する際には、「ご遺体の搬送だけ」を依頼する旨を明確に伝えましょう。
もちろん、安置後に複数の業者を比較・検討した結果、搬送を依頼した業者に改めて葬儀を依頼することも可能です。

搬送だけ依頼する場合も費用を事前に確認

搬送だけを依頼する場合も、事前に見積もりを出してもらい、費用を正確に把握してから依頼しましょう。

ご遺体の搬送は、国土交通省の認可を受けた業者しか行うことはできません。
また、料金システムは国土交通省の指導のもとで明確に基準が定められており、業者間で大きな差はありません。
そのため、ご遺体だけの搬送であれば、病院が紹介した搬送業者を利用しても費用が大幅に高くなることはありません。

ただし、オプションで余計な費用が計上される可能性もあるため、見積もりはしっかりと確認しましょう。

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自宅に安置するのが難しい場合はどうすればいい?

自宅にご遺体を安置するのが難しく、利用する葬儀業者が決まっていない場合は、特に注意が必要です。

葬儀業者の安置施設の利用は慎重に

住宅事情の変化から、自宅にご遺体を安置するのが難しいケースも増えてきました。
そのため、多くの葬儀業者が安置施設を運営して、ご遺体の受け入れを行っています。

しかし、そうした葬儀業者の安置施設の利用は、その葬儀業者で葬儀を行うことが前提になっています。

例えば、自宅での安置が難しい場合に、病院紹介の業者などに「当社にお連れしましょう」と言われてそのまま依頼してしまうと、その業者以外で葬儀を行うのが難しくなります。

その業者からは見積もりを取っておらず、対応の良し悪しや利用できる葬儀プランについて検討したわけでもありません。
また、希望する式場や葬儀形式がその業者で選べるとは限りません。
そうした業者だけに選択肢が狭まってしまうのは大きなリスクであり、避ける必要があります。

葬儀業者の安置施設を利用する場合は、しっかりと葬儀プランや料金を比較したうえで、葬儀を行うことを決めた業者の施設だけを利用するようにしましょう。

ご遺体の安置専用の施設もある

病院の霊安室に置いておける時間は短いため、その間に葬儀業者を決めるのは困難な場合も多いでしょう。
そうした際には、ご遺体の安置だけを行っている施設を一時的に利用するのもひとつの手です。

ご遺体の安置だけを行っている施設は「遺体ホテル」とも呼ばれ、都市部を中心に増加しています。
一泊1万円から2万円程度の費用はかかりますが、そうした施設を利用すれば、ご遺体を安全・衛生的な状態に保ったまま葬儀業者をじっくりと選ぶことができます。

ただし、ご遺体の搬送にはその都度費用がかかるため、搬送回数が増えるほど出費が増えることに注意しましょう。

自宅での安置を再度検討する

葬儀業者の安置施設は葬儀が前提となるため、安易な利用は避けるべきです。
遺体ホテルという選択肢もありますが、近隣にそうした施設がない場合もあります。
また、施設の利用料や搬送費用がかかります。

ご遺体の安置費用を抑えるには、施設利用料のかからない自宅で安置するのが一番です。
そのため、本当に自宅での安置が不可能なのかよく検討しましょう。

狭いエレベーターでも、緊急時のためのストレッチャー用の扉がついている場合があります。
また、幅の狭い階段などでも、搬送業者によっては対応してくれます。

集合住宅などで自宅での安置が難しいと考えていても、ご遺体を安置できる場合があります。
搬送業者とよく相談して、自宅での安置を検討してみることをおすすめします。

亡くなった後に葬儀業者を選ぶ際の注意点は?

病院での死亡後に葬儀業者を選ぶ際の注意点をいくつかご紹介します。

慌てて葬儀業者を決めない

葬儀業者は早めに決めることが望ましいですが、慌てる必要はありません。

ご遺体の搬送のために業者を早く決めるよう病院から言われるかもしれませんが、搬送だけを依頼することもできるため、搬送までの短時間で葬儀業者を決める必要はありません。

また、自宅や遺体ホテルに安置した場合は、ドライアイスなどでご遺体の冷却保存が行われます。
保存できる期間は3日程度ですが、その間に葬儀業者を選ぶことができます。
葬儀業者が決まった後に、業者が運営する冷蔵設備の整った安置施設に移せば、1週間程度の保存も可能です。
葬儀業者の決定には十分な時間的余裕があり、慌てて決める必要はありません。

故人の葬儀は一度しか行うことができません。
後悔しないためにも、葬儀プランや費用をよく検討してから葬儀業者を選ぶことが大切です。

葬儀の方針を決めてから葬儀業者を選ぶ

葬儀業者を決める際には、家族と相談してしっかりと葬儀の方針を決めてから業者を選びましょう。

・どの宗教や宗派の形式で行うのか
・費用はどの程度にするのか
・葬儀の規模
・一般葬か家族葬か
・音楽葬などの特別な葬儀を行うのか否か

以上のような項目をあらかじめ決めてから業者を探しましょう。
業者によっては利用できる式場が限られている場合や、希望の葬儀形式に対応していない場合があります。

葬儀業者を選ぶ過程で方針が変わってしまうと、選定に余計な時間がかかってしまいます。
時間が限られている状況だからこそ、葬儀の方針を明確にしておく必要があります。

複数の業者を比較する

葬儀は高額な費用がかかるため、依頼する前にしっかりと葬儀プランを検討する必要があります。
できれば数社に連絡して見積もりを出してもらい、それらを比較して決めましょう。

複数の業者と交渉することで、業者ごとの対応の良し悪しや業者の性質がより明確になります。
比較する際には費用だけでなく、対応や説明の丁寧さなどもチェックしましょう。

複数人で葬儀業者と交渉する

家族が亡くなった際には、平常心を保つのは困難です。
そうした状況の中、精神的な余裕のない喪主などが一人で葬儀業者と交渉すると、正常な判断や十分な交渉ができない可能性があります。

葬儀業者と話し合う際には、複数人の親族での交渉や、信頼できる人に立会いを依頼することをおすすめします。

事前に葬儀業者を選んでおくのが最善

臨終時に葬儀業者が決まっていない場合の注意点について解説してきましたが、最も望ましいのは事前に葬儀業者を決めておくことです。

臨終後の遺族は、病院の手続きや親族への連絡、葬儀の準備などで非常に忙しくなります。
葬儀業者を事前に決めておけば、遺族の負担は大きく軽減されます。

正式な申し込みを行っていなくても、利用できる葬儀業者を事前に把握しておいたり、希望する葬儀の形式を明確にしておいたりすれば、業者を選定する手間が大きく省けます。

また、事前相談は家族が行うこともできます。
亡くなる前に相談するのは不謹慎だと考える人もいるかもしれませんが、事前相談はより良い葬儀や費用の節約に大きく役立ちます。
生前から葬儀業者や葬儀形式について検討し、できる限り準備しておくことをおすすめします。

まとめ

病院での臨終時に葬儀業者が決まっていない場合でも、慌てて業者を決める必要はありません。

葬儀内容や費用をよく検討せずに業者を選ぶと、高額な費用を請求されたり、希望の葬儀を行えなかったりする可能性があります。

また、病院から業者を紹介される場合もありますが、そうした業者は費用が高い場合が多く、紹介を断るべきです。

病院にはご遺体を長く置いておけませんが、ご遺体の搬送だけを業者に依頼することができるため、業者の選定を急いで行う必要はありません。
ご遺体の安置後に、落ち着いて業者を選びましょう。

葬儀業者を選定する際は、複数の業者の見積もりを取り、葬儀プランや費用をよく検討したうえで決めることが大切です。

なお、ご遺体の安置場所に葬儀業者の施設を選んでしまうと、その業者以外での葬儀が難しくなります。
葬儀業者の安置施設を利用するのは、しっかりと検討して葬儀業者を決めた後にしましょう。

葬儀業者は生前に決めておくのが望ましいですが、それが難しい場合もあります。
より良い葬儀業者を選び、費用をなるべく抑えるためには、葬儀業者が決まっていない状況でも慌てずに、複数の業者を比較・検討することが大切です。

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