生前に遺影写真を作成する方法とは?費用はどのくらいかかるの?

 

自分の葬儀の際に使う遺影を生前から準備しておく人が増えています。
そうした遺影は「生前遺影」と呼ばれています。

「自分らしい写真で皆の記憶に残りたい」
「元気なときの写真を残しておきたい」
「家族の負担をなるべく減らしたい」

そんな理由で生前遺影を準備される方が多くいます。
生前遺影を準備しておけば、自分の希望する写真で参列者とお別れできるほか、残された遺族の負担も軽減されます。

人生の終わりのための「終活」が一般的になる中、生前遺影を準備しておきたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

今回は、生前遺影を準備する方法や、その気になる価格相場、生前遺影を作成する際のポイントなどについて、詳しく解説します。

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生前に遺影を撮影する人が増えている

日本では少子高齢化が急速に進んでいます。
また、地域とのつながりも以前と比べて希薄になっています。
昔であれば、多くの子供や地域の人が役割を分担して、老後の世話や葬儀を行うことが可能でした。
しかし、現在はそれが難しくなりつつあります。

そのため、周囲に迷惑をかけないように死を迎えるための「終活」が一般的に行われるようになってきています。
そうした終活の一環として、生前遺影を撮影する人が増えています。

2012年に経済産業省が発表した「安心と信頼のある『ライフエンディング・ステージ』の創出に向けた普及啓発に関する研究会報告書」において、生前遺影に関する意識調査の結果が報告されています。
それによると、遺影を「既に準備している」「現在準備中である」と答えたのは4.6%でしたが、「準備すべきと感じるが、準備していない」と答えた人は46.8%にのぼっています。

この調査は30代以上の幅広い年齢を対象とした調査であり、高齢者に限定すればより大きな割合が生前遺影を準備していると考えられます。
また、生前遺影の必要性を多くの人が感じていることが、この調査からわかります。

以前は、自分の葬儀の準備をすることは「縁起が悪い」と考えられ、敬遠されていました。
しかし、葬儀についての考え方や大災害の影響により、自分の死に備えておくことが前向きに考えられるようになっていきています。

生前に遺影を準備しておくメリットは?

遺影を生前に準備しておくと、さまざまなメリットが得られます。

自分の希望する姿を記憶に残せる

生前遺影を準備しておけば、自分の希望する姿で遺族や葬儀の参列者の記憶に残ることができます。
遺影の服装や背景には明確な決まりはなく、自分らしさを表現した服装や好みの背景、色合いなどを選んで、自分の好きな遺影を準備できます。

また、急な体調変化や事故で容姿が変わってしまうことは珍しくありません。
元気なうちに遺影を撮影しておけば、そうした万が一の事態にも備えることができます。

きれいな遺影でお別れできる

生前遺影を専門の写真店などに依頼すると、プロにメイクしてもらったうえで専門のカメラマンが撮影してくれます。
そうしたプロに撮影してもらった遺影はとても質が高く、納得のいく遺影を準備することができます。

遺影を準備していない場合は、小さなスナップ写真などを引き伸ばして遺影が作成されるため、どうしても写真がぼやけたものになってしまいます。
きれいな遺影で葬儀を行いたい場合は、生前遺影を準備するのがおすすめです。

遺族の負担を減らせる

家族が亡くなると、遺族は葬儀の準備や親族への連絡などで非常に忙しくなります。
遺影を準備していない場合、遺族はその多忙な中で遺影に使用できる写真を探し、葬儀業者と遺影の加工方法について打ち合わせをする必要があります。
生前遺影を準備しておけば、そうした遺族の負担を軽減することができます。

費用が安くなる場合がある

スナップ写真などから遺影を準備する場合、葬儀業者に依頼すると大体25,000円から30,000円程度の費用がかかります。
生前遺影の費用は場合によって異なりますが、写真店に依頼しても15,000円から20,000円程度です。

場合にもよりますが、死後に遺影を作成するよりも、生前に遺影を準備しておいた方が安くなるケースが多いです。
また、遺影のクオリティは生前遺影の方がはるかに高くなります。

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手持ちの写真から作成してもらえる?

生前遺影は写真店などに頼んで新たに撮影する場合が多いですが、気に入った写真がある場合などは既存の写真から作成してもらうこともできます。
死後にスナップ写真から遺影を作成するのと、作成方法は変わりません。

死後に遺影の作成を葬儀業者に依頼した場合、葬儀業者が社内で遺影を作成するケースは珍しく、多くの場合写真加工業者に外注します。
その場合、遺影の費用には仲介する葬儀業者の手間賃が加算されます。
そのため、生前に写真加工業者に直接依頼して遺影を作成しておいた方が、費用は安くなります。

生前遺影はどこに頼めばいい?

生前遺影を準備する方法には、いくつかの種類があります。
それぞれの方法をみていきましょう。

写真専門店・カメラマン

最も一般的なのは、写真専門店やカメラマンに依頼する方法です。
近隣の写真店に依頼する方法のほか、ネットで検索すると遺影の撮影を行ってくれるカメラマンや写真店を見つけることができます。
近年は生前遺影を撮影する人が増えており、生前遺影の撮影を専門に行っているカメラマンもいます。

専門家に依頼する場合は、まず予約をとり、予約した日時にスタジオなどの撮影場所に行きます。
そして撮影前にメイクや髪型のセットをしてもらい、カメラマンに撮影してもらいます。
その後、撮影した写真の中から気に入ったものを選び、遺影にしてもらいます。
希望通りの遺影を撮影するために、カメラマンに写真のイメージをしっかりと伝えましょう。

こうした専門家に依頼する一番のメリットは、きれいで納得のいく遺影を準備できる点です。
どんな写真にしたいのか相談すれば、プロのアドバイスがもらえます。
また、撮影前にはプロにメイクしてもらえますし、熟練したカメラマンは自然な表情を引き出してくれます。
さらに、撮影したいこだわりの場所がある場合は、その場所まで出張して撮影してくれます。

デメリットとしては、場合によって費用が高くなることが挙げられます。
また、納期は1週間から2週間程度のケースが多く、時間の余裕をみて依頼する必要があります。

写真修正サービス

既存の写真から遺影を作成してくれる写真修正サービスを利用する方法もあります。
その場合は元となる写真を選んで業者に渡し、サイズを選んで加工してもらいます。
スナップ写真を使用するのが一般的ですが、デジカメやスマホで撮影した画像データで作成してもらうこともできます。

写真修正サービスのメリットとしては、比較的価格が安いことが挙げられます。
ただし、服装や髪型の変更、シミの除去などの修正が必要な場合は、加工した分だけ費用が高くなります。

遺影撮影会

近年では、遺影を撮影したい人を対象にした遺影撮影会も開催されています。
遺影撮影会は主に葬儀業者が企画するほか、写真店が企画するケースや、農協などの組合が開催するケースもあります。

遺影撮影会は、プロにメイクしてもらい、プロのカメラマンに撮影してもらいます。
大勢が参加するため一人あたりの時間は短めですが、質の高い写真が期待できます。
また、個別にプロに依頼する場合に比べて安価で、5,000円程度で撮影してくれるケースもあります。

葬儀業者

葬儀業者に依頼する方法もありますが、葬儀業者は遺影の作成を外部の業者に委託する場合が多く、撮影の内容は写真店などに依頼するのと変わりません。
葬儀業者をはさめば、仲介費用がかかって価格も高めになります。
そのため、生前遺影の作成を葬儀業者に依頼するのは一般的ではありません。

なお、葬儀業者の中には、写真修正サービスを葬儀とは別で提供しているところもあります。
そうしたサービスは価格が低めであり、利用するのも選択肢のひとつです。

生前遺影の費用はどれくらいかかるの?

生前遺影の作成費用は、準備する方法や依頼内容によって大きく変わります。
大まかな目安は、以下の通りです。

・写真専門店やカメラマン:15,000円から20,000円程度
・写真修正サービス:6,000円から15,000円程度
・遺影撮影会:5,000円から10,000円程度

なお、これらは遺影のみの価格です。
写真専門店などでは豪華な額やアルバムがセットになったプランも提供されており、そうしたサービスを利用すれば価格は高くなります。
また、出張撮影を依頼した場合は、交通費なども別途かかります。

どのタイミングで撮影すればいい?

生前遺影は、元気なうちに撮影しておくことが大切です。
病気や事故は突然訪れるものであり、準備が早すぎるということはありません。

ただし、実際の年齢とあまりにかけ離れた遺影では、参列者の方が違和感を覚える場合があります。
そのため、5年・10年程度の間隔で、定期的に遺影を撮影しなおしている人が多くいます。
一定期間ごとの記念撮影を兼ねて、家族一緒に撮影しているケースもあります。

生前遺影は元気なうちに準備しておき、撮影してから一定期間が過ぎたら再度撮りなおすことをおすすめします。

なお、年配の方であれば、10歳程度若い頃の写真を遺影にするのが理想的とされています。
例えば、90歳で亡くなった場合は、80歳頃の写真がよく使用されます。
これは、歳をとると人と会う機会が減るため、やや若い頃の姿の方が参列者の記憶に近い場合が多いことを考えての選択です。

ある程度年配の方の場合は、撮影してから時間が経っても写真を撮りなおさず、比較的若い元気な頃の写真を使用するのも選択肢のひとつです。

生前遺影を用意する際のポイント

生前遺影を準備する際のポイントや注意点をいくつかご紹介します。

「自分らしい」遺影を心がける

遺影に使用する写真に明確なルールはなく、自由なスタイルの写真を使うことができます。

かつては真面目な顔が一般的でしたが、現在ではその人らしい表情が好ましいとされています。
微笑んだ穏やかな表情を選ぶ人が多いほか、大きな口を開けた笑顔を選ぶ人もいます。

服装についても、以前は黒色のスーツや着物が一般的でしたが、現在は幅広い服装での撮影が行われています。
ゴルフが趣味の人がゴルフウエアを着用するケースや、白衣などの仕事着、ダンス用のドレスなどを選ぶケースもあります。

また、背景は肌の色がきれいに見える青色が一般的ですが、暖かい雰囲気になるピンクやオレンジも選ばれています。
さらに、背景にお気に入りの景色を選ぶ場合や、自分が描いた絵を背景にする場合などもあります。

生前遺影は、自分の希望する写真を選べるのが最大のメリットです。
「自分らしい」写真で最後のお別れができるよう、表情や服装を自由な発想で選んでみてください。

できれば事前に打ち合わせをする

遺影は、自分の死後も家族のもとに長く残る大事な写真です。
思い通りの写真を撮るために、一度カメラマンと打ち合わせをして、写真のイメージのすりあわせを行うのが理想的です。
特に風景を含めた遺影を希望する場合や、ペットや趣味の道具と一緒に撮影する場合などは、カメラマンとのイメージの共有が大事になります。
打ち合わせの時間が取れない場合は、メールなどで希望する写真のイメージを伝えるとよいでしょう。

ペットと撮影したい場合は事前に相談

ペットと一緒に撮影した写真を遺影にする人もいます。
そうした場合は、カメラマンと事前によく相談しておきましょう。
ペットの種類や大きさ、希望する写真のイメージが事前に把握できれば、カメラマンも撮影しやすくなり、写真の質の向上が期待できます。

写真データをきちんと保管しておく

生前遺影は、実際に使用するまでに時間が経つことが多く、プリントされた写真が劣化することも考えられます。
経年劣化に備える場合は、撮影したものをプリントだけでなくデータでも提供してもらいましょう。
データをきちんと保管しておけば、経年劣化や写真の紛失などの事態にもすぐに対応できます。

遺影を作成したことを家族に伝えておく

遺影を作成したら、そのことを家族にも明確に伝えておきましょう。
折角遺影を撮影しても、家族がそのことを知らず、葬儀に使われなければ意味がありません。

また、遺影と写真データの保管場所は、数人で把握しておくことをおすすめします。
限られた人だけが知っていると、その人が保管場所を忘れてしまった場合に見つからなくなる可能性があります。

まとめ

生前に遺影を準備しておく人が増えています。
生前遺影は、自分好みの姿で遺影を作成できるほか、遺影を準備する遺族の負担を減らすことができます。

生前遺影は写真専門店やプロのカメラマンに依頼する場合が多いですが、既存の写真から遺影を作成してもらうこともできます。
また、大勢が参加する遺影撮影会も開催されています。

費用は作成方法や依頼内容によって大きく異なります。
専門店に依頼した場合は「15,000円から20,000円程度」、既存の写真から作成してもらう場合は「6,000円から15,000円程度」写真撮影会は「5,000円から10,000円程度」が大まかな目安です。

遺影に使う写真には明確なルールがなく、自由なスタイルの写真を使用できます。
自分らしい元気な姿で家族や親戚、友人の記憶に残るために、そして残された家族の負担を少しでも軽減するために、生前遺影の準備を検討してみることをおすすめします。

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