家族葬で通夜なしだと流れはどうなる?喪主が注意すべき点は何?

 

近年、限られた近親者のみで葬儀を行う家族葬が増えています。
また、近年のお通夜は、主に一般の弔問客がお別れする場になっており、一般の弔問客を制限する家族葬ではお通夜を省略するケースが増加しています。

葬儀は通夜・告別式と2日間にわたって行われるのが通常ですが、お通夜を省略した「一日葬」が近年は珍しくありません。

一日葬は遺族の負担が軽減されますが、従来の葬儀形式とは異なるため、行う際には周囲への配慮が必要です。
また、準備をスムーズに行い、円滑に葬儀を執り行うためには、一日葬の流れを事前にしっかりと把握しておくことが大切です。

今回は、お通夜を省略した一日葬を行う場合の準備の流れ、葬儀当日の儀式の進行、喪主の注意点などについて、詳しく解説します。

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一日葬を準備する手順

まずは、臨終から葬儀当日までの準備の流れをご紹介します。
事前に準備手順や注意点を把握しておくことで、いざというときにスムーズに準備を進めることができます。

なお一日葬といっても、お通夜を行わない以外は、規模の小さな家族葬と全体的な流れに大きな差はありません。

臨終・病院での手続き

現在は、病院で亡くなるケースが8割程度を占めます。
病院で亡くなると、末期の水などの臨終後の儀式や処置を行った後、霊安室にご遺体が移されます。

病院で発行される死亡診断書は、ご遺体の搬送や死亡届、保険の手続きなどに必要です。
役所に提出した死亡診断書は返却されないため、複数枚発行してもらいましょう。

搬送・安置

病院の霊安室はスペースが限られており、別の場所に速やかに搬送するよう求められます。
また、法律によって24時間以内の火葬が禁止されているため、ご遺体は一旦どこかに安置する必要があります。

安置場所は、自宅や葬儀業者の安置施設が一般的です。
また、ご遺体の安置だけを専門に行う施設も都市部を中心に増えています。

葬儀業者の安置施設は葬儀を行う業者のものだけを使う

葬儀業者の安置施設を利用する際は、葬儀を依頼した業者の施設を利用することが大切です。

葬儀業者の施設に一度ご遺体を安置してしまうと、別の業者で葬儀を行うことが困難になります。
業者によっては一日葬に対応していないところもあり、葬儀プランを確認せずに葬儀業者の安置施設を利用してしまうと、希望の葬儀が行えなかったり費用が高額になったりする恐れがあります。

葬儀業者の安置施設を利用する場合は、事前に葬儀プランを比較検討して、葬儀を行うことを決めた業者の施設だけを利用するようにしましょう。

家族葬の場合は自宅での安置に注意

自宅にご遺体を安置すると、ご遺体の搬送や葬儀業者の出入りによって、近所の人に家族が亡くなったことを知られてしまう場合があります。

家族葬は弔問客を制限して葬儀を行うため、参加者以外には訃報を伝えないのが一般的です。
自宅を安置場所に選んだ場合、臨終を知った隣人や知人が弔問に訪れる場合があり、問題になるケースもあります。

搬送だけを業者に依頼することもできる

臨終時に葬儀業者が決まっていれば、その業者に連絡すればご遺体の搬送と安置を行ってくれます。
葬儀業者が決まっていない場合は、ご遺体の搬送だけを葬儀業者に依頼することも可能です。

病院にご遺体を置いておける時間は限られており、その時間で葬儀業者を決めるのはリスクがあります。
臨終時に葬儀業者が決まっていない場合は、とりあえず搬送のみを依頼し、安置後に落ち着いて葬儀業者を選ぶことをおすすめします。
その際は葬儀業者の安置施設を利用せず、自宅や安置専用の施設を利用するようにしましょう。

葬儀の方針を決めて周囲の了解を得る

お通夜を省略した一日葬を行う場合は、周囲の理解を得たうえで行うのが大切です。
親族などの理解を得ずに実施した結果、トラブルになったケースもあります。

菩提寺がある場合は特に注意

菩提寺がある場合は、お通夜を省略することについて先に了解を得る必要があります。
仏教ではお通夜と葬儀は一連の流れであり、菩提寺の方針によっては一日葬が行えないケースがあります。

また、菩提寺の方針に従わずにほかの寺院に依頼すると、納骨を断られる場合があります
近年では一日葬を認める寺院も増えていますが、事前の確認が重要です。

親戚などの了解を得ておく

限られた近親者のみで行う家族葬や、お通夜を省略した一日葬が増えてきましたが、そうした形式が広く世間に知られているわけではありません。
また、一日葬は昼間に行われるため、参加者の都合がつかない場合があります。
そのため、故人とお別れできない親戚や知人から、後で不満がでる可能性があります。

亡くなった家族が非常に高齢で参列者が限られる場合などはあまり問題になりませんが、出席を断る親族などがいる場合には、事前に連絡して了解を得ておくことが大切です。

香典や供花の方針を決める

一日葬は香典や供花を辞退することが多くなっています。
香典や供花を辞退する場合は、訃報や葬儀の日程を知らせる際に、その旨を明確に相手に伝える必要があります。
辞退の旨を伝えておかないと、訃報を知らされた人が対応に困ったり、香典を持参する人がでてきたりします。

葬儀業者・葬儀プラン・式場の決定

一日葬の方針が決まったら、依頼する葬儀業者や葬儀プラン、式場を決めます。
業者によっては一日葬を行えない場合や、希望の式場を使えない場合があります。
葬儀業者を選ぶ際には、一日葬にしっかりと対応してくれる業者を選びましょう。
また、複数の業者から見積もりを出してもらい、費用やサービスを比較検討することが重要です。

一日葬を行う場合は、式場の費用にも気を配りましょう。
施設によっては前日から準備が必要になり、通常の葬儀と変わらない2日分の費用が必要になる場合があります。
なるべく費用を抑えたい場合は、施設利用料を確認したうえで式場を決めましょう。

日程を決めて参加者に連絡

葬儀の日程は参加者の都合のほか、火葬場や僧侶の都合によっても左右されます。
特に一日葬では故人とお別れする機会が1日しかないため、出席できない人がなるべくでないよう日程は慎重に決めましょう。
火葬場への連絡は葬儀業者が行うのが一般的なため、葬儀業者とも相談して日程を決めます。

参加者への連絡は、ごく限られた人数の場合は電話のみで済む場合もあります。
人数が多めの場合は間違いのないよう、メールやファックスを利用しましょう。
香典や供花を辞退する場合は、その方針を連絡の際に明確に伝えます。

納棺

葬儀の前には、ご遺体を棺に納める必要があります。
納棺するタイミングに特に決まりはなく、安置から葬儀までの間で行います。
通常の葬儀ではお通夜の直前に行われることが多いですが、一日葬の場合は当日に行うと慌しくなるため、前もって行われるケースも一般的です。

納棺は、以前は親族が行っていましたが、現在は専門の納棺師や葬儀スタッフの手を借りて行うのが通常です。
告別式の前に親族だけで集まり、故人に死装束をまとわせるなどの旅支度を行います。

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葬儀業者と詳細を確認

葬儀・告別式の前に、当日の進行や会葬返礼品などについて確認しておきます。

家族葬の場合、かしこまる必要がないという考えから会葬返礼品などを省略することも多いですが、予期せぬ弔問客のためにある程度準備しておく場合もあります。

また、受付・会計・案内係などが必要か否かも確認しておきましょう。
香典を受け取る方針の場合や、ある程度参列者が多い場合は、家族葬であっても受付が必要です。
その際は、事前に親戚などに頼んでおきます。

以上が、一日葬で葬儀・告別式を行うまでの流れです。
準備すべき事柄が多いですが、ひとつずつ確認しながら進めましょう。

葬儀・告別式当日の流れ

一般的な葬儀では、葬儀・告別式の前日にお通夜が実施されますが、一日葬では省略されます。
葬儀・告別式の流れは以下の通りです。

遺族集合・受付

一日葬は1日で火葬まで行うため、10時から12時頃の早めの時間帯から開始するのが一般的です。

通常の葬儀では開始の1時間前に集合し、受付の準備や会葬返礼品などの確認、弔辞・弔電の名前や順番の確認を行います。
しかし、少人数の一日葬の場合はそうした作業が必要ないこともあります。
香典を受け取る場合などは受付が必要ですが、不要なケースも多いです。

集合時間については、葬儀業者と打ち合わせておきましょう。

僧侶を迎える

僧侶が葬儀場に到着したら、喪主が挨拶をして控え室などに案内します。
僧侶を迎えるのは、葬儀業者が行う場合もあります。

この際に、僧侶に戒名料や読経料などを含めたお布施を渡す場合があります。
お布施を渡すタイミングについては、葬儀業者やお寺側と事前に打ち合わせておきましょう。

葬儀・告別式

先に参列者が会場で着席しておき、僧侶が入場した後に葬儀・告別式が始まります。

仏式であれば、僧侶による読経・焼香、弔辞と弔電の紹介が行われます。
その後、参列者による焼香が行われ、最後に喪主が参列者に対して挨拶を行います。

家族葬の場合は弔辞や参加者の人数が少ないため、一般葬よりも儀式にかかる時間は短めです。
また、家族葬でも喪主の挨拶を行うのが一般的ですが、場合によっては省略することもあります。
親族や葬儀業者と打ち合わせをして、挨拶が必要かどうかを判断しましょう。

出棺

故人の棺に思い出の品や生花を入れてお別れした後、火葬場へと出棺します。
参列者が身内だけの場合は、全員で火葬場に移動します。

葬儀場と火葬場が併設されている場合はすぐに火葬が行われますが、そうでない場合は火葬場へマイクロバスや自家用車で移動します。

火葬・骨上げ

火葬場にご遺体と遺族が到着した後、「納めの式」を行います。
納めの式は、火葬炉の前で行う最後のお別れの儀式です。
僧侶が同行している場合は読経してもらい、焼香します。

火葬には1時間程度かかり、その間遺族は控え室などで待機します。
葬儀場によっては、火葬の間に精進落としを行う場合もあります。

火葬後に、遺骨を骨壷に納める「骨上げ(こつあげ)」を行います。
拾う際には箸を使い、2人が1つの骨を同時に持って骨壷に納めます。
故人と縁の深かった順に行うのが一般的で、足の骨から身体の上部に向かって順番に納めていきます。

骨上げ後は、骨壷と埋葬許可証を受け取ります。
埋葬許可証は納骨の際に必要となる重要な書類なので、大切に保管しておきましょう。

初七日法要

逝去当日から数えて7日目に行う初七日法要ですが、現在は繰り上げて葬儀・告別式の当日に行う場合がほとんどです。

初七日法要を行うタイミングは地域によって異なり、告別式の直後に行う場合もあれば、火葬後に行う場合もあります。

精進落とし

一般的な葬儀では初七日法要や火葬の後に、僧侶や親族に対して飲食を振舞う精進落としが行われます。

一日葬の場合は、なるべく葬儀を簡略化したいという意向の遺族が多く、省略されるケースがほとんどです。
精進落としを行うか否かは、事前に僧侶や参列者に伝えておきましょう。

精進落としを行わない場合や、僧侶が精進落としを辞退する場合は、食事に代えて「御膳料(おぜんりょう)」を渡すのが一般的です。
御膳料の相場は場合によって異なりますが、1万円程度とされています。

また、葬儀場では精進落としを行わず、故人の好きだった店を予約して食事会を行う場合などもあります。
その場合は事前に予約をとり、精進落としであることを伝えて、遺骨の持込の許可を店側から得ておきましょう。
なお、店によっては予約を断られる場合もあります。

お布施を渡す

葬儀費用は葬儀業者に支払いますが、お布施は葬儀・告別式の日に僧侶に直接渡すのが一般的です。
葬儀前に枕経などを行ってもらった場合は、その分もまとめて渡します。

お布施を渡すタイミングは、葬儀の式の前か、葬儀後のお礼を伝える際に渡すのが一般的です。
場合によって異なるため、いつ渡すのか事前に葬儀業者やお寺側と打ち合わせておきましょう。
また、交通費にあたるお車代や、精進落としの代わりとなる御膳料も用意しておき、お布施と一緒に渡します。

以上が、お通夜を行わない一日葬の流れです。
前日のお通夜がないことや、精進落としが省略されることが多いことを除けば、通常の葬儀とさほど変わりません。
より良い式になるよう儀式の流れを事前に把握しておきましょう。

一日葬を行う際の注意点

お通夜を行わない一日葬を行う際の注意点を改めてご紹介します。

周囲の理解を得ておく

準備手順でも触れましたが、一日葬は一般的な葬儀形式ではなく、周囲の理解を事前に得ておくことが非常に重要です。
また、菩提寺がある場合はお寺の了承も必要です。

理解が得られていないと、故人とお別れできなかった親族や知人との関係に問題が生じる場合もあります。
お通夜を省略する際には、後のトラブルを防ぐためにも周囲の理解をしっかりと得ておきましょう。

こちらの記事も合わせてご覧ください。

近年は、家族の形態や葬儀に対する価値観の変化により、従来の形式にとらわれない葬儀が行われるケースが増えてきました。 限られた親族のみで...

費用が大幅に安くなるわけではない

一日葬は、お通夜に行われる通夜振る舞いの費用などを削減できるため、一般的な葬儀に比べて費用は安くなります。

ただし、大幅に費用が安くなるわけではありません。
ご遺体の搬送や安置の費用、僧侶へのお布施などの大部分の費用は、一般的な葬儀と同額が必要です。
また、式場費用も2日分必要になる場合が多くあります。

費用を削減する目的で一日葬を選ぶ場合は、どの程度安くなるのかを事前にしっかりと確認してから申し込むようにしましょう。

まとめ

近年、お通夜を省略した一日葬が増えています。
一日葬は、儀式を行うのが1日だけであり、遺族の負担が軽減されます。

ただし、故人とお別れする機会が制限されてしまうため、事前にしっかりと周囲の理解を得ておく必要があります。
また、菩提寺がある場合はお寺の了承も必要です。

お通夜を行わないことを除けば、一日葬の準備や当日の儀式の全体的な流れは、通常の家族葬と大きな差はありません。
しかし、開始時間や精進落としの有無などの多少の違いがあるため、事前に流れを確認しておくことが大切です。

より良い葬儀を執り行い、故人を心安らかに送り出すためにも、準備手順や儀式の流れについて事前にしっかりと把握しておくことをおすすめします。

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