家族葬の参列者人数によって費用はどのくらい違ってくるの?

 

現代では葬儀の形式が多様化しており、限られた近親者のみで行う家族葬が増えています。
家族葬は一般的な葬儀と比べて規模が小さく、葬儀費用を安く抑えることができるのがメリットとされています。

しかし、家族葬といっても、その規模は場合によって大きな差があります。
5名以内のごく少人数で行われる場合もあれば、親戚が多く50名以上で行われる家族葬もあります。
当然、人数によってかかる費用に違いがあります。

また、基本的に人数が少なくなれば葬儀費用は安くなりますが、遺族の支出が減るとは限りません。
葬儀の参列者を限定した家族葬を行うことで、かえって支出が増えるケースもあります。

今回は、家族葬の参列者数によってどういった費用が変化するのか、費用にどれくらい差がでるのかといった点や、参列者が減ることで遺族の支出が増えるケースについて解説します。

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家族葬の平均金額はいくらくらい?

参列者の人数による葬儀費用の違いをみる前に、家族葬では一般的にどれくらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。

鎌倉新書が行った第3回「お葬式に関する全国調査」によれば、家族葬の葬儀そのものにかかる費用の全国平均は、「約91万円」です。
また、最も多い価格帯は80万円から100万円です。

葬儀の費用は、葬儀の規模や内容によって大きく異なります。
また、地域によっても葬儀費用の相場に差があります。
首都圏の葬儀に関する情報を発信するエンディングデータバンクの2016年の調査によれば、首都圏の家族葬の平均費用は115万円程度です。
それに対して地方では、より低めの傾向があります。

なお、この金額には寺院へのお布施や葬儀の飲食費は含まれていません。
お布施や飲食費は場合によって大きく異なるため、正確な数字を把握するのは困難ですが、家族葬の総額の全国平均は「130万円程度」になると考えられます。

家族葬の平均金額を数十万円程度とするデータを目にすることがあるかもしれませんが、そうした安めの金額は、葬儀業者が提示する基本プランのみのデータであり、葬儀全体の費用ではありません。
葬儀の基本プランには、飲食接待費や寺院費用などは含まれていません。
基本プランの料金だけでは葬儀を行えないため、費用を誤解しないようにしましょう。

なお、一般的な葬儀の平均金額は195万円程度です。
これは、一般社団法人の日本消費者協会が2017年1月に発表した第11回「葬儀についてのアンケート調査」によって明らかになっています。

葬儀の内容によって費用は大きく異なりますが、全体的にみると、家族葬は一般葬に比べて60万円から70万円程度費用が安くなっています。

参列者の人数で変動する費用には何がある?

家族葬といっても規模はさまざまであり、参列者の人数によって葬儀費用は変化します。
人数の変化で葬儀費用にどれくらいの差が生じるのかを知るためには、人数によってどの費用が変化するのかを把握する必要があります。

葬儀には3つの費用が必要

葬儀にかかる費用には、大まかに分けて「葬儀一式の費用(本体費用)」、「寺院費用」、「飲食接待費用」の3つがあります。

葬儀一式の費用

葬儀一式の費用は「本体費用」とも呼ばれます。
葬儀一式の費用は、病院からのご遺体の搬送・安置・通夜・葬儀・告別式・火葬などの葬儀一式を執り行うために必要な、物品・人・場所などにかかる費用です。

具体的な費用には、式場や火葬場の利用料・ご遺体の搬送費用・ご遺体の安置と保存費用・棺桶代・祭壇費用・会葬礼状費用・位牌代・遺影写真代・スタッフの人件費などがあります。

この葬儀一式の費用の多くは、葬儀業者が提示する葬儀プランの費用に含まれています。
葬儀一式の費用の中には参列者の人数によって変動するものもありますが、さほど大きな違いにはなりません。
葬儀一式の費用の多くは、参列者の人数が多くても少なくても変わりません。

寺院費用

寺院費用は、僧侶に読経や戒名授与のお礼として渡すお布施の費用です。
一般的には、ご遺体安置後の枕経からお通夜での読経、告別式や火葬時の読経、戒名の授与などを依頼して、その全体のお礼として葬儀の後にまとめて渡します。

お布施の金額は、授与してもらう戒名によって大きく異なります。
また、相場は地域によっても大きな差があります。

日本消費者協会による第11回「葬儀についてのアンケート調査」によれば、一般的な葬儀でのお布施の平均金額は約47万円です。
また、一般的な「信士・信女」といった普通戒名の場合は、読経料を含めて25万円から35万円程度がお布施の相場ともいわれています。
お布施の金額には幅があるため一概にはいえませんが、参考にしてみてください。

家族葬の葬儀仲介業を行っている業者の中には、比較的安価で寺院の紹介や僧侶の派遣サービスを行っているところもあります。
そうした業者を利用した場合、寺院費用は15万円から16万円程度で済むケースもあります。

なお、こうした寺院費用は、参列者の人数によって影響を受けません。

飲食接待費用

飲食接待費用は、葬儀での飲食や参列者への返礼品代です。
葬儀では、お通夜での「通夜振る舞い」と、告別式の後の「精進落とし」の2回の会食が行われるのが一般的です。
また、弔問のお礼として、参列者に会葬返礼品を渡す必要があります。

参列者の人数によって主に飲食接待費が変わる

参列者の人数によって変動するのは、主に飲食接待費です。
通夜振る舞いや精進落としの料理は人数分用意する必要があり、人数が増えればその分費用がかかります。
また、会葬返礼品も人数分必要です。

通夜振る舞いや精進落としの費用は、提供する料理の内容によって大きく異なります。
通夜振る舞いの料理は一人あたり2,000円から4,000円、精進落としの料理は4,000円から6,000円程度が相場とされています。

これに飲み物や会葬返礼品の費用を加えると、一人あたりの飲食接待費は1万円程度が目安になるでしょう。
大まかな目安ですが、家族葬の参列者が5名程度であれば飲食接待費は5万円程度、30人程度であれば30万円程度かかることが予想できます。

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式場費用などの基本費用が変わる場合もある

参列者の人数によって、飲食接待費以外の費用が変動する場合もあります。

式場使用料

式場使用料は、参列者の人数単位ではなく会場単位で計算されます。
基本的には人数によって式場使用料は変動しませんが、人数が少なければ小さめの会場で葬儀を行うことができます。
小さい会場であれば、大きな会場に比べて費用を抑えることができます。

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控え室の利用料

式場によっては、遺族や参列者の控え室を利用する場合に追加で費用がかかるところもあります。
参列者の人数が少なければ、そうした控え室を多く準備する必要がなくなり、利用料金を削減することができます。

葬儀スタッフの人件費

参列者が多くなれば、葬儀業者のスタッフもその分余計に必要になります。そのため、参列者の少ない葬儀であれば、スタッフの人件費を削減できます。

こうした影響から、参列者の想定人数によって家族葬の料金プランを変えている葬儀業者も多く存在しています。

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参列者の人数によって費用はどれくらい違う?

葬儀費用は、葬儀プランや提供する料理の内容などによって大きく変わります。
そのため非常に大まかな目安になりますが、参考までに参列者の人数別の葬儀費用の例をご紹介します。

なお、費用の計算には、大手の葬儀業者の比較的安価な家族葬プランを使用しています。
また、飲食接待費は1人あたり1万円で計算し、寺院費用は一律20万円としています。

参列者の人数5人10人20人30人50人
葬儀一式の費用40万円40万円40万円45万円50万円
寺院費用20万円20万円20万円20万円20万円
飲食接待費5万円10万円20万円30万円50万円
合計65万円70万円80万円95万円120万円

人数によって葬儀一式の費用も若干変化しますが、費用の差の大部分を生み出しているのは飲食接待費です。

以上の計算は、安価なプランで追加の費用などが発生していない場合の費用です。
安価な葬儀プランでは公営式場や公営の火葬場の使用を前提としている場合が多く、民営の式場などを使用した場合は追加料金がかかる場合もあります。
あくまでも、人数による費用の違いの一例として参考にしてみてください。

人数によって極端な費用の差は生じない

参列者の人数による葬儀費用の違いを生み出しているのは、主に飲食接待費です。
人数によって葬儀プランが安くなるケースも多いですが、その差はあまり大きなものではありません。

葬儀費用においては、ご遺体の搬送費用・安置費用・寺院費用・火葬費用といった参加者の人数に影響されない費用が大きな割合を占めています。
参列者の人数が半数になれば葬儀の金額も半分近くになると錯覚しがちですが、それほど大きな差はなく、人数の減少による葬儀費用への影響は限定的です。

お通夜を行わない葬儀の場合

近年では葬儀の形式が多様化しており、お通夜を省略して告別式だけを行う一日葬も増えています。
一日葬は、特に家族葬で葬儀を行う場合によくみられます。

お通夜を行わなければ式場使用料が1日分で済む場合があるほか、通夜振る舞いの飲食接待費を削減することができます。
そのため、通夜振る舞いを行う場合と比べて、参列者の人数による費用の違いは小さくなります。

なお、一日葬の場合でも告別式後の精進落としは通常通り行われます。
精進落としを行わない場合には、食事の代わりとして折詰などを準備して参列者に渡すのがマナーとされています。
そうした精進落としに関連した費用は、通常の葬儀と同じく参列者の人数によって変動します。

参列者が減ると遺族の支出が増える場合がある

家族葬は、ごく限られた近親者のみで行う規模の小さい葬儀です。
そのため、葬儀全体の費用を低く抑えることができます。

しかし、葬儀費用を抑えたからといって、遺族の支出が減るとは限りません。
家族葬にして参列者の人数を制限することで、かえって支出が増えるケースもあります。

葬儀には「収入」もある

葬儀には、葬儀業者の料金やお布施などの支出だけでなく、香典による「収入」もあります。
香典は、お通夜や葬儀の参列者だけでなく、会葬しない人からもいただくことがあります。

香典の金額は地域などによっても大きく異なりますが、一般的には一人あたり7,000円前後といわれています。
100人の参列者がいた場合は約70万円、200人の場合は約140万円の収入があることになります。
いただいた香典の約半分から1/3程度の品物を香典返しとしてお返しする風習がありますが、それを差し引いても大きな金額です。

しかし、家族葬では、参列者の人数を制限するとともに、香典を辞退する場合が多くあります。
家族葬では、香典による「収入」は見込めません。

家族葬で支出が増える可能性があることを頭に入れておく

家族葬では香典による収入が見込めない一方で、ご遺体の搬送料や祭壇費用といった葬儀の基本費用、寺院費用などは一般葬と同じようにかかります。
参列者を制限することによって飲食接待費は大きく削減できるものの、香典収入の減少に見合わないケースも多くあります。

実際に規模の大きな一般葬と家族葬を比べた場合に、費用から香典収入を差し引いた純粋な持ち出し額は、家族葬の方が大きかったというケースが多数あります。

「葬儀費用が安く済む」というイメージが強い家族葬ですが、場合によっては費用負担が増える場合もあることをしっかりと認識しておきましょう。

まとめ

近年は、近親者のみで行う家族葬が増えています。
家族葬といっても場合によって人数に大きな差があり、葬儀の規模によって費用が異なります。

家族葬の葬儀そのものにかかる費用の全国平均は約91万円です。
これに飲食接待費や寺院費用を加えると、家族葬全体の平均費用は130万円程度になります。

参列者の人数によって変動するのは、主に飲食接待費です。
飲食接待費は場合によって差がありますが、1人あたり1万円程度が目安になるでしょう。
また、参列者の人数が少ないと式場使用料などの基本費用が安くなる場合もあります。
参列者の人数が少なければ、費用をある程度抑えることができます。

ただし、葬儀費用においては、参列者の人数に影響されない費用が大きな割合を占めています。
そのため、参列者を制限しても極端に費用が安くなるわけではなく、その影響は限定的です。

また、家族葬は葬儀費用を安くすることができますが、その一方で香典による収入は見込めません。
家族葬でも祭壇の費用やご遺体の安置にかかる費用などは一般葬と同じようにかかるため、遺族の持ち出し額が一般葬よりも大きくなるケースがあります。

参列者の人数を制限すれば費用は安くなりますが、その影響は限定的です。
また、家族葬にすることで支出が増える場合もあります。
家族葬を検討している場合は、こうした点もよく考慮したうえで、葬儀の形式や規模を決めることをおすすめします。

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